16.5. 固定資産

本節では、固定資産(耐用年数が1年を超える物) について説明します。 土地、建物、借地借家改良費、無形固定資産、乗り物、およびその他の設備などです。

16.5.1. 土地

土地は減耗資産ではありません。 すなわち、それは、時間が経つにつれて減耗したり、価値を失ったりするような損害を受けることはまずありません。 その理由により、通常、購入価格を購入時点で記録します。 何十年の間、評価額の変化は記録せず、帳簿上でしか認識できません。 土地を売却して購入価格と比較した時のみ利益または損失を計算します。

土地は、その上の建物と併せて売買されることが多いです。 しかし、土地の売買価格は建物の売買価格と分けなければいけません。 所有権を移転する売買契約書の中では、通常、土地と建物の金額は分けて記載されます。

課税評価額を決める査定者はしばしば土地の評価プロセスで契約書上の土地の金額を上昇させます。 国または地域の課税では査定者が決定した評価額に基づいて課税額が決定されます。そしてその国または地域の公共サービスの資金として使用されます。

正式な価格評価システムによる歴史的な土地評価額に基づかない金額で土地を取得したいなら、不動産業者が合理的な土地の評価額を計算できるように、購入者は最近の売買状況の評価額を説明する必要があります。

16.5.2. 建物

建物は、多くの生きている人間が交流する人工の洞穴です。 建物は、使用することにより設備が摩耗していくので、減耗資産です。 建物は、時間が経つにつれて機能が失われ始めたり、自然現象または人間の行動により損傷を受けたりします。

会計実務では所有権が移転 (購入) した時に決定した購入金額または建築した時の総合計費用を記録します。 建物は何十年にもわたって使用されることが多く、売却時に利益または損失を計算する必要があるため、会計実務では元の購入金額または建築合計費用を記録し、価値の低下は記録しません。

代わりに減価償却を使用して (貸借対照表上の) 建物の正味帳簿価格 (購入金額・建築総合計額から減価償却累計額を引いた金額) を表します。 減価償却費は本書の別の章で説明しています。

16.5.3. 借地借家改良費

ビジネスでは、所有していないが長期リースで使用している建物の機能や外観を、ビジネス活動を効率的にするために改良することが良くあります。

この場合では、ビジネス費用としては、借地借家改良費勘定科目の借方 (増加) および、銀行勘定科目の貸方 (減少) またはクレジットカード勘定科目など適切な負債勘定科目の貸方 (増加) に記録します。

16.5.4. 乗り物または設備

通常、すべての種類の乗り物や設備は数年間使用できますが、ほとんど動かない物よりはずっと耐用年数が短いです。 これらは時間がたつにつれ摩耗するため、ビジネスの会計実務では資産の種類と使用法に基づいて、適切な方法で耐用期間中に減価償却を記録します。 減価償却の方法と期間は、資産の種類に応じて税法で規定されている減価償却の方法と期間により選択することが良くあります。

通常、ビジネスでは減価償却を行います。 個人でも減価償却が許可されるかどうかは税務当局によります。 非常に裕福な人々は、法律によって許可されるすべての税制上の優遇措置を活用するために、会計士と弁護士を雇い投資と所有資産の追跡および管理をします。

16.5.5. 無形固定資産

これらの資産の会計処理方法 (適切な勘定科目の借方と貸方に記入) は比較的単純で、これまでに説明してきた資産とほぼ同じです。 評価に関しては少し難しいです。これは上級の話題であり、個人や小規模ビジネスではまず関係しません。 よって、特許、著作権、のれん代などは本書では取り扱いません。